お役立ちエッセー

「ありのまま」や「自分らしく」が流行っている理由を時代の変化から解読

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近年いたるところで、「ありのまま」や「自分らしく」という言葉を耳にしませんか?

たとえば、2013年に一大ブームになった映画「アナと雪の女王」の主題歌である「Let It GO ~ありのままで~」は知らない人はいないというくらい、大勢の人が聞いたのではないでしょうか?

 

それではどうしてそんなにも流行したのか?また、2018年の今でも「ありのまま」や「自分らしく」がキーワードになっているのか?

そんなことを調べてみたいと思います。

 

時代の変化(過去~現在)

まず第一に考えられることは、時代の変化です。

ちょっと固い話になってしまいますが、20世紀の日本についてのお話です。

それは1955年から日本は高度経済成長期という非常に経済が発展する時代に突入していくことになります。

高度経済成長期が始まる前、いわゆる戦後では、日本の生活水準は低く、食料にも困っていました。

そのため豊かな生活を求めて働き、また技術革新によって、より消費意欲が湧き内需が増え、人口が増え、輸出を増やすことでさらに経済が発展していきました。

このように高度経済成長は、所得の増加や耐久消費財の普及によって人々の生活水準を向上させ、現在の物質的に豊かな日本の原型となりましたが、反面では「集団就職」「通年出稼ぎ」等にみられるような農村から都市への大量の人口移出をもたらし、過疎化・高齢化の原因を作り上げました。

古民家

現在の日本ではそれが更に加速し、ご存知の通り過疎化・高齢化が深刻な問題となっています。

 

・・・

それがどのように「ありのまま」や「自分らしく」につながるのでしょうか?

欲求の変化

端的に言うと、現在の日本は豊かだということです。

食料に困ることはほぼなくなり、仕事も選ばなければ何かの職業に就くことが出来る。極端に言うと働かなくても生活保護などで暮らしていくことができるのです。

昔は、「もっと良い生活を過ごしたい」、「もっとモノが欲しい」、そのために「もっとお金が欲しい」という人が大勢いました。

しかし、現在は豊かなのです。

そこで、もっと別の欲求が生まれてきたのです。
・・いやむしろ元々あった欲求に気づいたと言えるでしょうか。

賑わうおかげ横丁

 

モノ消費からコト消費へ

更に現在では、モノの消費からコトの消費に移ってきています。

「コト」とは、体験や経験を言います。

前に述べた欲求の変化ともつながりますが、モノが欲しいという欲求より、「何かを体験したい」や「楽しい時間を過ごしたい」という欲求が増えてきているのです。

つまり、記録より記憶ということです。

モノにはお金がかかりますが、コトにはお金をかけずにできることも多いのです。

 

このように時代の変化により、人々(主に先進国)の生活が変わり、欲求も変わっていったのですね。

 

個の時代(現代~未来)

一昔前は、地域や集団が大事にされていました。

そして世間体が大事にされていることがあったり、高価なモノを持つことはステータスになっていました。

しかし、現在の日本ではその風潮がずいぶんと薄れてきています。もちろん全く無いわけではありませんし、農村部では、色濃く残っているでしょう。
ただし、都市部の若者を見てみると、地域の一員としてではなく、個人や家族の単位でのつながりで完結している人が多いように感じます。

つまり、「個」で独立した時代なのです。

 

「個」としてのつながり

現在はインターネットが普及しsnsが発展することで、地球上だれとでもつながることができます。

つまり、つながる人を選ぶことが出来るのです。

そうなると、偶然地域が一緒だという人より、同じ趣味、同じ感性を持った人とつながった方が楽しいですし、逆に離れることも簡単にできるのです。

 

そうすると大事になってくるのが、「個性」ということになります。

自分の個性を殺して周りに合わせて生きていくのと、自分の個性を出して好きな人と生きていくのとでは、どちらの人生を歩みたいのか?と問われると、後者の生き方を望む時代になってきたのです。

スマホネットワーク

 

言葉は時代を写している

「ありのまま」や「自分らしく」を耳にする機会が多いのは、それを求めている人が多いということです。

過去の流行語や、その年に流行った歌の歌詞などには、その年の人々の生活や考え方に合っているから流行したということなのです。

1989年には「24時間タタカエマスカ」と言っていたものが、2017年には「睡眠負債」と言っているのですから。

※睡眠負債とは:日々の睡眠不足が借金のように積み重なり、心身に悪影響を及ぼすおそれのある状態である

 

「自分らしく」や「ありのまま」が流行っている理由と今後についてのまとめ

「自分らしく」や「ありのまま」が流行っているのは、時代の変化によって人々の考え方や欲求が変化し、より「個」が重要となってきていることが挙げられます。

実際に今後AIが発展し、人の仕事が機械にとって変わられることになるなら、「人」としての魅力は周りと同じことが出来るということより、より個性を発揮できるかということになるのではないでしょうか。

 

また、時代の変化に合わせてニーズも変化しているということがわかります。

そして、今後もさらに変化していくでしょう。

大切なのは、変化に乗り遅れずについていくこと。むしろビジネスにおいては変化を先取りすることが必要です。

 

 

※現状維持や何もしないことを「ありのまま」と言う人もいますが、ここでの「ありのまま」はそういうことではなく、自分本来の特性を発揮している状態という意味で使っています。ご了承ください。

 

PS. とある考察

「インスタ映え」が2017年の流行語大賞になりましたが、これも「個」という視点で見ると納得できます。

ただし、作為的に作られたものが多い印象なので「ありのまま」とは違うものが多いですね。。


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