私が身に着けたいことの一つに、「質問力」があります。
コーチングをする上で、効果的な質問をすることは本当に大切なことです。
今回紹介する本はそんな「質問」に関する本で、舞台は会社となっていますが、実際は個人相手でも、ましてや自分自身にも使え、大いに役立つ内容となっていました。
手に入れた理由は、コーチングのスキルアップのためのセミナーの中で、講師の方がおまけとしてプレゼントしてくれました。
※現在10000冊プロジェクトというものに参加中です。
10000冊プロジェクトでは、1年間に100冊の本を読み、それをアウトプットすることを目標としています。
⇒【10000冊プロジェクト】
『革新的な会社の質問力』
著者:河田 真誠(しつもんコンサルタント)
■本について
発行日:2017年4月24日
評価:★★★★★ (所要時間:2時間)
読破冊数:11冊/100冊
■こんな人におすすめ
- コンサルタント
- コーチ
- 教育に関する仕事の方
- 管理職
- リーダー
- 会議の進行役
- 変わって良くなりたい方
■概要
「しつもん」とは
「しつもん」とはアドバイスしたり教えたりすることではなく、答えは自分や相手の中にあると考え、しつもんすることにより、その時の「頭の中を整理する」「新しいアイデアを生み出す」「やる気になる」ことのきっかけとなることです。
「質問」にはさまざまな種類がある
相手に正解を当てさせる「クイズ」、自分の知らないことを相手に聞く「疑問」、相手の真意を問いただす「尋問」、さらに、「ご機嫌いかがですか?」といった特に意味を持たない「あいさつ質問」があります。
そして、相手のためになる良質な問いかけをあえてひらがなで書く「しつもん」と定義し、その他の質問と区別します。
必ず身につけたい「7つのしつもんマインド」
「しつもんマインド」は、しつもんの上達だけでなく、これから先、何が起こるか予測できない時代を生き抜くためのビジネスセンスを鍛える上で、欠かせないものです。
7つの「しつもんマインド」に向き合うことで、「いまやるべきこと」がくっきりと見えてくるはずです。
- 思い込みを捨てる
- 相手を信じる
- 愛の選択をする
- どんな答えも正解
- 100%自分の責任
- 自分を満たす
- 答えるより、考えることが大切
自分しつもん
日頃私たちは、数多くのしつもんを自分自身に向けてしています。この「自分しつもん」が上達すると思考力が高まり、仕事の成果だけでなく、問題や課題に対する解決能力や創造力がアップし様々なことが手に入ることでしょう。
自分しつもんのコツ
- 「べき」思考をしない
- 「できない」を考えない
- 自分を否定しない
- 見えていないところにこそ意識を向ける
- あきらめない。でも、やり方は変える
習慣化したい「自分しつもん」
人はいつの間にか、過去の上手くいったことや上手くいかなかったことが染みつき、それがルーチン化しています。変化が激しい世の中ではそれがいつもうまくいくとは限りません。この呪縛から抜け出し、「今のベストな選択」をするのに役立つのが「習慣化したい7つの自分しつもん」です。
- いいところはどこだろう?
- 「なぜ?」✕7
- じゃあ、どうする?
- どうなっていたら最高?
- 違いは何だろう?
- 本当に?
- いま、出来ることは何?
ひとり会議
自分しつもんを形式や手順に沿ってすることで、さらに思考がはかどります。正解は自分の中にあるということを忘れずにいましょう。
ひとり会議の手順は
- テーマを決める
- 「終わった時にどうなっていたら最高?」を明確にする
- テーマに合わせたしつもんに答える(紙に書く)
- 答えてみて感じたこと、気づいたことを書き出す
- 「いつまでに何をするか」を決める
です。
この本には『自分の課題を見える化する』『問題を解決する』『やる気とパフォーマンスを高める』という3つのテーマが紹介されています。
部下にしつもん
もし部下に不満があるなら、その原因は部下ではなく、上司のあなたにあります。あなたの考え方や関わり方を少し変えるだけで、部下との関係を劇的に変えることが出来ます。
部下にしつもんをする時に、特に意識してほしい6つのコツ
- しつもんの目的を明確にし、相手の答えを大切に
- 相手のためにしつもんする
- 「いいね」と受けとめる
- 口よりも耳を使う
- 盛り上がりを見逃さない
- 「好き嫌い」と「仕事」を分ける
部下へのしつもんとありますが、改まってしつもんをする必要はなく、日常の業務の中、ちょっとした部下との会話の中に、しつもんを折り込むことで、人間関係を良く出来るだけでなく、部下の能力を引き出し、自信をつけさせ、成長を後押しすることができます。
この本には10個の目的別の「部下の力を引き出すしつもん」が用意されています。
会議でしつもん
会議にしつもんを取り入れると、偉い人の独演会や単なる連絡・報告の場になるということもなくなります。そして、メンバー全員で議論が盛り上がり、しかも短時間で実のある結果が得られます。
楽しく実りのある会議にするためには、各メンバーのマインドの問題が大きく、誰かが意見を表明したら、まずは「いいね!」と受けとめる姿勢がとても大切です。
「受けとめる」は賛否などのジャッジをせずにそういう意見や提案があると認めることです。
しつもんアイデア会議の4つのルール
- どんな答えも正解
- どんな答えも「いいね!」と受けとめる
- 答えが出なくてOK
- 楽しむ
会議の成否は事前の準備で決まる
会議の充実度は事前の準備次第で高めることができます。しつもんアイデア会議で準備するのは次の4項目です。
- テーマを決める
- 参加したくなる工夫をする
- 環境にこだわる
- しつもんアイデア会議用シートを用意する
→しつもんを用意する
お客様にしつもん
しつもんを駆使出来るようになると、売り込まなくても売れる「営業力」、隠れたニーズを掘り起こす「企画力」、お客様から愛され、より必要とされる「満足度の高い商品を生み出す力」が自然と高まり、お客様との関係も格段に良くなっていきます。
「営業力」を高める例として、何をするのかというと、1時間の時間があるとしたら、そのうち55分間を「悩みを聞くこと」に費やします。
そうすると、お客様は「自分にはこんな悩みがあるのか」と改めて認識します。その段階で、「その悩みを解決する方法があるのですが、興味はありますか?」だと、相手の答えは「めちゃくちゃ興味があります!」となります。
相手は「買いたい」のではなく「問題を解決したい」
相手が欲しがるものを聞き出すのが「しつもん力」です。
「お客様にしつもん」6つの心構え
- お客様を幸せにする
- マイナスをなくす、プラスを増やす
- 自分らしく、無理をしない
- こだわりポイントを見つける
- 顧客の夢を広げる
- 自分なら、どんな人から買いたい?
答えはお客様が持っている
「お客様マニア」になるほど、相手のことを知り、気持ちが痛いほど分かるくらいまで共感できるようになると、自然とサービスや商品は売れていきます。
お客様を知り、もっと深く喜んでいただけることを考え、しつもんをしてみてください。
■この本から学んだこと
まず、この本から「しつもん」の大切さ、強力さ、応用力、魅力を感じました。
普段「質問」だと思っていたことが、実は「尋問」だったり「詰問」だったり「疑問」だったりしていることに気づきました。そして、「しつもん」の奥深さと簡単ではないなと思いました。
この本には、様々な「しつもん」にたいする考え方(マインド)が出てきますが、どれも大切だと感じます。急に全てを身につけることは難しいと思うので、まずは、「7つのしつもんマインド」を一つずつ意識しながら身につけていきたいと思いました。
しつもんをする機会がほとんどないとおっしゃる方もいるかもしれませんが、ちょっとした会話の中でも「しつもん」は使えると思いますし、しつもんしなかったとしても「7つのしつもんマインド」を持ちつつ会話することも出来るのではないでしょうか。
さらに、「自分しつもん」が習慣化できると、人として成長できるだろうと感じました。ただ、本を読んだだけでは知っただけでできるようにはなっていません。学びにはなりましたが、これを実践しないと結果は変わらないですから、少しずつ実践して習慣化していきたいですね。
「部下にしつもん」「会議でしつもん」「お客様にしつもん」では、この本を用いてコンサルができると感じました。本当は本を見なくてもできるくらい深く落とし込めば良いのでしょうが、かなりの情報量のため、最初は本を見ながらや、自分なりに状況に合わせてピックアップすれば十分活かせるのではないかと思いました。
例題もたくさん載っているので、使える状況はたくさんあると感じました。
「しつもん」ができる人が増えると世の中が良くなっていくなと感じた一冊でした。
■目次
はじめに いま、何かを変えたいと思っているあなたへ
第1章 「しつもん」とは何か?
第2章 必ず身につけたい「7つのしつもんマインド」
第3章 自分しつもん
第4章 部下にしつもん
第5章 会議でしつもん
第6章 お客様にしつもん
おわりに
■一言感想
質問力は今、世の中に求められている力でしょう。革新的な会社とありますが、どのような組織においても、個人レベルだとしても必要なものだと思います。
そして、これを読んでくれた方は、是非「しつもん」を身につけ、自分と周りの人達を幸せにしてもらいたいです。