メンタリストのDaiGoさんはご存知でしょうか?
フォーク曲げや心理誘導などでテレビで見かける機会も多いのではないですか?
私も、コミュニケーションや心理学などを学ぶ中で、たびたびDaiGoさんの本が紹介されたり、イベントに来られたりしていることを知り、一度DaiGoさんの本を読んでみたいと思い、この本を手に取りました。
※現在10000冊プロジェクトというものに参加していて、1年間に100冊本を読み、それをアウトプットすることを目標としています。
『一瞬でYESを引き出す心理戦略。』
著者:DaiGo(メンタリスト)
■本について
発行日:2013年8月1日
評価:★★★☆☆ (所要時間:1時間40分)
読破冊数: 13/100冊
■こんな人におすすめ
- 営業の仕事をしている方
- 人と交渉する仕事をしている方
- 人間関係を良くしたいと思っている方
- 失敗をなんとかしたいと思っている方
■概要
メンタリズムはコツさえ覚えれば誰でも身につけることができる簡単なものです。DaiGoさんの行うメンタリズムの技術は、「相手の心を読み、心をつかみ、ニーズに応えることで信頼関係を築く」というもので、企業研修やテレビ出演などで自ら体現してきたといえるでしょう。
メンタリズムとは
人間の心理的特性をふまえて、相手の行動や態度、会話などからその心の状態を読み解いていく技術です。れっきとした科学であり、超能力ではありません。
基本の4ポイント
- 観察する
外見や言葉に現れたものから手掛かりを探る。 - 分析する
手掛かりをもとに、心理を読み解く。 - 信頼される
相手を理解し、信頼を勝ち取る。 - 誘導する
暗示を入れ、人を動かす。
メンタリズムの「YES」を引き出す心理戦略
もしビジネスシーンだとしたら、交渉の前に9割決まっているということです。
それというのも、ビジネスを抜きにしたところで、どのくらい個人同士の距離を縮められるか、それが大事であり、そこからすでに交渉は始まっているということです。
そして、個人同士の距離を縮める方法がいくつか書かれていたので、特に気になった所を紹介します。
相手の警戒を解くためにも、自分から先に話すこと
相手に開示してもらいたい情報があるのなら、まず開示することが先決です。
欠点を先に伝えることで信頼を得られる
後から入った情報のほうが記憶に残りやすいという人間の脳の特性(親近効果)もプラスに働きます。メリットを先に伝え、欠点を後から言うと卑怯な印象を与え、逆だと誠実な印象を与えます。
その場の主導権を1.3秒で握れる世界共通の方法
挨拶は誰よりも早くする。そうすることで、その空間をあなたが支配しているという空気、あなたの優位性を演出することができます。
つまりは、『相手よりも先に行動する』ということですね。
繰り返しの技術
書くにせよ話すにせよ、重要なメッセージや相手に伝えたい情報、売り込みたい情報は、表現を変えて必ず3~10回は繰り返す。
「伝わる」企画書の黄金ルール
- これだけは絶対に伝えたいという重要情報をひとつだけに絞り込む
- それ以外の情報は、いっそ捨てるぐらいの勇気を持つ
- ひとつの企画書に3~10会ぐらい、自然に登場するようにその情報を入れる
「また買いたい」と言われる心理戦略
聞き上手になること
お客さんにしゃべらせることが上手な販売員は、イコール、お客さんに信用されやすい販売員と言ってもいいでしょう。
人は基本的に、信用している人からしかモノを買いません。
多くの人が持っている「信用している人や親しい人にしか自分のことを話さない」という認知が、自分のことを話した=信用のできる人だと思おうとするのです。
損をしなければ、誰もが商品をほしくなる
人間は得をする喜びより損をする恐怖のほうが強いのです。自分の意思だけで選ぶと損をするかもしれないという恐怖がある人は、損はしないという安心感を得たいのです。
セールスでは、買った後の幸せなストーリーを想像させよう
商品を買った後の展開を、例え話や形容詞を使って思い描かせる。その商品がある光景や情景を想像させる。販売員はそんな、店頭に立つストーリーテラであるべきだと思います。
ゴルディロックス効果
価格帯の選択肢が3つになると中間(真ん中)のものを選びやすいという現象です。
また、人が迷わずに決断できる選択肢の限界は5個です。
3つの選択肢を提示する場合は、①もっとも高価な「A」→②すごく安い「C」→③本命の売りたい「B」という順番で見せればより極端性が強調され、お客さんは真ん中をより選びやすくなります。
人間関係のストレスをなくす心理戦略
空間・スペースをコントロール出来れば人間関係が変わってくる
人は無意識に相手との人間関係により距離をとっています。それを逆に利用することで人間関係を良くするということです。
相手との距離をもっと縮めたいというならば、まずは実際の身体の距離を縮めることです。たとえば、一緒にランチに行くならば、テーブルを挟んで座るレストランよりもカウンター席で隣同士で食べるほうが、出て来る会話もその距離に見合った内容になるわけです。
これも認知的不協和を利用して「こんなに近い距離にいるから、この人とは親密なんだ」という感じを持ちやすくなります。
喜んであなたについてくる、最高の上司力とは
もしあなたが上司なら、覚えておいたほうがいい文があります。
『普通の先生は「問題の解き方」を教え、いい先生は「勉強の仕方・考え方」を教える。そして最高の先生は「勉強の楽しみ方」を教える』と、
部下や後輩に仕事を教えるなら、何よりも彼らに教えるべきは仕事の楽しみ方です。
■この本から学んだこと
この本を読んで、メンタリズムをもっと深く学びたいと思えるようになりました。
書いてある内容は、メンタリズムの技術というよりは、コミュニケーション学やNLPの内容が多く入っていて、とても目新しいというものではありませんでしたが、実際に仕事、プライベート問わず生活の中での様々な場面に活用できるようなものばかりだと感じました。
相手を観察するときや、信頼を得るとき、セールスをする時など「こうすれば良さそう」と思える内容はありますが、それと実際にできるかということはまた別物だと思います。つまり、この本を読んだからといってすぐにメンタリズムが使えるようにはならないということです。
変わったこととして、この本には『本書の正しい使い方』というページがあります。
それには、先送りしがちな人へ「まず始めてみること」ということ。また、全部を読む必要はなく、気になるページだけ読んでみる、つまり興味のある部分だけを読む、というスタイルをオススメしています。
これには、いきなりそんなことからはじめていいのか、と思う気持ちもありました。
とはいえ、実際に全部やろうとするとかなりの時間と労力がかかるでしょう。
上記の概要の部分は本の一部の紹介です。実際は数倍の内容が書かれています。
私が、概要として書いたのも気になったから、重要だと思ったからなので、まずはそのようなところから、まずは始めてみることが大事だと感じました。
■目次
はじめに
本書の正しい使い方
第1章 あなたはもっと評価されるべき。今こそ仕事にメンタリズムを
第2章 手強い相手の「YES」を引き出す心理戦略
第3章 あなたから「また買いたい!」と思わせる心理戦略
第4章 人間関係のストレスをなくす心理戦略
第5章 ミスを取り戻すどころか、チャンスに変えてしまう心理戦略
おわりに