「運動する習慣を身に着けたい」
「勉強する習慣を身に着けたい」
「料理をする習慣を身に着けたい」
「今日から手帳をつけよう」
「毎日ブログを書こう」
などなど。身につけたいと思う習慣はたくさんありますね。
でもそれって本当に将来役に立つのでしょうか?
この本を読むと、生活が劇的に向上するきっかけとなる基本的な4つの習慣が分かります。さらに、習慣の大切さが改めて分かりました。
本の題名は『習慣力 1日1分7つのステップ』ということで、まずは気軽に取り組めそうな内容なこともあり、手に取ってみました。
※現在10000冊プロジェクトというものに参加していて、1年間に100冊本を読み、それをアウトプットすることを目標としています。
『習慣力 1日1分7つのステップ』
著者:今村 暁
■本について
発行日:2010年12月10日
評価:★★★★☆ (所要時間:1時間50分)
読破冊数: 10/100冊
■こんな人におすすめ
- 変わりたいと思う方
- このままじゃマズイと思っている方
- 成功したい方
- 良い習慣を身に着けたい方
- 自分には行動能力がないと思っている方
■概要
1部『「良い習慣」とは何だろう?』
最初にくる1章では誰でも必ず変わることが出来るという著者の想いが書かれています。
著者の不登校児童と関わった体験から、やる気ゼロの子どもや笑顔が全くない子、1年間全く口をきいてくれない子どもでも、小さなアクションを繰り返していくことで変わっていったということです。そして中には、著者の習慣教育により模擬テストで日本一になった子、早稲田・慶応に入った子、スポーツのチャンピオンになった子もいるのです。
だから、「誰でも必ず変われる」「人間の潜在能力と可能性は無限だ」と胸を張って断言できるのです。
そして2章では、あなたは成功したい人か成功哲学を知りたい人かが問われています。
というのも成功したい人は行動する人です。分かっていながら実際にはやっていないということは、その大切さをほんとうは理解していないということです。
人間には、誰もが脳という高性能のスーパーコンピューターを持ってはいるものの、入っているプログラムが人によって違うので、成功している人、成功していない人、幸せになった人、幸せになっていない人などいろいろな差が出てきます。
そのプログラムというのが、まさに「習慣」なのです。
行動習慣を変えることの大切さ
習慣についてのベンジャミン・フランクリンの詩が載っていたので紹介します。
私は誰?
私はいつもあなたのそばにいる
いちばん頼りになる助け手でもあれば、大変な厄介者でもある
後押しもすれば、足を引っ張ってしくじらせもする
私はあなたの命令次第
半分だけやって任せてくれれば、
私は残りは手早く正確に片づけてしまう
私の扱いは簡単
念押しは不要
何をしたいか見せてくれれば、少しの練習であとは自動的だ
私はすべての偉大な人物の僕
そして何たることか、すべてのしくじりの主人
偉大な人が偉大になったのは私のため
しくじった人がしくじったのも私のため
私は機械ではないが、機械のような正確さと
人の知性によって動く
私を動かして利益を得ることもできれば、
破壊を招くことも出来る
私にはそれは関係ない
私を利用して訓練し、しっかり働かせなさい
そうすればこの世を足もとに従えることさえできる
しかし、甘やかせばあなたを滅ぼす
私はだれか
私は習慣
(ベンジャミン・フランクリン『人生を築く時間の刻み方』産能大学出版)
自分を助けてくれる良い習慣を持つか、足を引っ張る悪い習慣を持つかで人生は大きく変わるということです。
人には成功心質を持っている人とそうではない人がいます。
「成功心質を持っている子(=もともとできる子)は夢を持てば変わることができる。そうではない、成功体験を持っていない圧倒的大多数の子は、夢を持てば変われるのではなくて、日々の小さな行動習慣を変えることによって人生は変わっていく」ということです。
「行動の習慣づくり」こそが成功と幸せの秘訣で、世の中の90~95%の人は、この「行動の習慣づくりから入る」ことが大事です。
習慣教育の4本柱
成長・成功するために必要な4つの習慣があります。それは目に見える「行動の習慣」と目に見えない「感性の習慣」「理性の習慣」「知識の習慣」です。
それぞれが何を表すのかというと、例えば夢に向かう車に例えると、
「感性の習慣」というのは「ガソリン」と一緒です。感じて、ワクワクしたり夢や目標が出来ることによって、やる気が出ます。
「理性の習慣」は「整備が行き届いた良い車体」です。「計画、段取りを考える」「物事を両面から考える」「中心を考える」「プラス思考で考える」「数字で考える」など、機能的に動く車のボディのようです。
「知識の習慣」は、複雑な操作方法を覚えるための「マニュアル」といえるでしょう。
「行動の習慣」は、言葉、動作、表情、姿勢などの習慣作りをします。車に例えると、アクセルを踏んだり、ブレーキを踏んだり、ハンドルを切ったり、などの行動をすることです。特に反復が重要な領域です。
これらの4つは一つでも欠けたら車は走りません。
この4本柱の習慣は足し算ではなく掛け算で成果を出していきます。
人生=感性✕理性✕知識✕行動
と表すことができます。
意識の3層構造
「顕在意識」が全体の5~10%
「潜在意識」が全体の90~95%
そして、潜在意識よりもさらに深い部分で、「意識ですらない部分」に人間が本来持っている「感性」と呼ばれる部分があると考えられております。
そして、そのそれぞれに対して違った働きかけをしていくことで、加速度的に人の習慣は変化していくということです。
第2部 それでは実際にやってみよう!「良い習慣」が身につく1日1分7つのステップ
ステップ1 「今のままじゃ、まずいなぁ」
- 「このままじゃ、マズイなぁ」ということを思い浮かべる。
- もしこのままだとどうなるか、その予想を紙に書き出す。
- ハッと気づいた時に、1分その場でメモを取る
ステップ2 「変わりたいなぁ」
- なぜ変わりたいのか?考える。
- 変わったらどうなるのか、を考える。
- なぜ変わりたいのか、理由を紙に書き出す。
- この気持が原点。1日1回1分、見直しをする。
ステップ3 「変わるぞ!」と決意する
- 「変わりたい」から「変わるぞ!」へ決意する。
- 決意表明を紙に書く。
- 変わるための行動を紙に書き出す。
- 1日1回1分、決意したことを口に出す。
ステップ4 仲間をつくる
- 一緒に行動する仲間をつくる。
- 良い仲間を選ぶ。
- 一緒に同じ目標に向かって行動する。
- 仲間を応援する。
ステップ5 良い気持ちを味わう
- どうしたら気持ちよくなるか、考える。
- 過去に気持ちよかったことを思い出してみる。
- 他人にほめられたことを日記に書く。
ステップ6 反復トレーニングをする
- 行動を反復するようにする。
- 3週間=21日を1つの段階と考える。
- 「十の誓い」のチェックシートを活用する
ステップ7 維持する仕組みを考える
- 小さなこと、簡単なことを繰り返し行う。
- 携帯電話のカメラとメールを有効活用する。
- 仲間と自分の進捗状況を教え合う。
第3部 「習慣道」を極める
「早起き」「掃除」「日記」そして「十の誓い」
十の誓い
十の誓いとは、自分の夢や目標のために手に入れるべき良い習慣を10個書き出し、それを毎日チェックしていくことです。
十の誓いのつくりかた
まずは、自分が成功や幸せを手に入れるために、手に入れた方が良いと考える習慣を書き出します。
その中から10個にしぼって手に入れたい習慣を書き出します。
なぜ10個なのかというと、著者の受講生との長年の実践から「自分は本気で人生を変えるのだ」と考えた人には10個がちょうどいい数字とのことです。
「基本四習慣」
上記の10個の習慣の中にぜひとも入れておくべき4つの誓いがあります。
それは、
「早起きをする」
「掃除をする」
「明日やることを5つ日記に書く」
「十の誓いを確認する」
という4つです。
この4つの習慣を手に入れると、他の習慣まで次々と手に入り、日々の生活が劇的に向上していくのです。
十の誓いは最初は小さなことで構いません。そして、「~しない」ではなく「~する」と書くことです。
人生=感性✕理性✕知識✕行動
ですが、
習慣道=早起き✕掃除✕日記✕十の誓い
で表すことが出来るということですね。
■この本から学んだこと
まず私が改めて思ったことが、人間の可能性はすごいということです。
1章での著者の今村さんの体験を読むと、衝撃的で、本当に人は誰でも変わることが出来るということと、自分には十分にやる気があるということに気づきました。
そして、「習慣」の大事さを感じました。これまでは、良い習慣に変えることは人生にとって良いことだが、それほど必要性が高いとは思っていなくて、自分の理想に近づく手段の一つというくらいにしか思っていませんでした。
しかし、この本、特にベンジャミン・フランクリンの詩を知って、習慣の偉大さを知るとともに、恐ろしさも感じるようになりました。
さらに、意識していないことのほとんどが習慣によって作られているということだから驚きです。例えば、普段、どちらの足から歩きだすか?靴下はどちらの足から履くか?通学・通勤に通る道、口癖、あるいは、自動ドアを当たり前のように通ったり、椅子に座るという動作も全部習慣です。
そう考えると人間は本当に習慣の生き物で、習慣を変えることにより人生が変わるということも納得できました。
私は、習慣というと、基本的には行動習慣のことをイメージすることがほとんどで、それとは別に7つの習慣などの思考習慣の2つだと思っていました。
しかし、この本では、習慣教育の4本柱として挙げている「感性」「理性」「知識」「行動」のそれぞれの習慣がどれも大切ということで、自分は全部を見ていなかったなと感じました。
そして、一番学びになったことは、何と言っても基本四習慣です。
早起き、掃除、日記、とそんなに大したことではないように思えますが、色々と学んだ今ならどれも大切だと分かります。そして、これらを含めた十の誓いを書くことで成功するというのもイメージできます。
そして、小さなステップから始めるということは、習慣を身につける上ではどんなときでも出てくるキーワードと言えるでしょう。
もし、本気で人生を変えたいとは思えなくとも少しは良くしたいと思うならば、基本四習慣のうちの一つを少しずづでも行動していけば、人生が好転していくのではないでしょうか。
■目次
習慣教育を体験した方からの声
はじめに 奇跡を呼ぶ「4つの習慣」
第1部 「良い習慣」とは何だろう?
第1章 あなたも必ず変わることができる!
第2章 あなたは「成功したい人」? それとも「成功哲学を知りたい人」?
第3章 人間は素晴らしい脳を持っている
第4章 行動習慣を変えると人生が変わる!
第5章 感性✕理性✕知識✕行動の習慣教育で夢に向かおう!
第6章 「顕在意識」「潜在意識」「感性」
第2部 それでは実際にやってみよう!
「良い習慣」が身につく 1日1分7つのステップ
第7章 ステップ1
「今のままじゃ、まずいなぁ」★現状認識
第8章 ステップ2
「変わりたいなぁ」★感性、欲求
第9章 ステップ3
「変わるぞ!」と決意する
第10章 ステップ4
仲間をつくる
第11章 ステップ5
良い気持ちを味わう
第12章 ステップ6
反復トレーニングをする
第13章 ステップ7
維持する仕組みを考える
第3部 「習慣道」を極める
「早起き」「掃除」「日記」そして「十の誓い」
第14章 「十の誓い」
第15章 実践編「十の誓い」の活用法
第16章 体験談「十の誓い」の成功例
第17章 人生=「感性」✕「理性」✕「知識」✕「行動」
第18章 魔法の習慣「掃除」
第19章 自分を見つめるツール「日記」
あとがき